アブリスボとは

RSウイルス感染症は非常にありふれたウイルス感染症で、多くの子どもが2歳までに一度は感染するとされていますが、生後間もない赤ちゃんがかかると細気管支炎や肺炎を起こし、入院が必要になるほど重症化することがあります。特に生後6ヶ月未満は自分自身の免疫がまだ十分に育っていない時期で、最も注意が必要とされています。

「アブリスボ」は、妊娠中の母体に接種することで胎盤を通じて赤ちゃんへ抗体を受け渡し、生まれてから最も感染リスクの高い時期に重症化を防ぐしくみのワクチンです。赤ちゃん自身に接種するのではなく、お母さまの体を通じてあらかじめ備えておくという予防の考え方とご理解ください。

接種対象時期

接種の対象時期は妊娠24〜36週で、なかでも妊娠28〜36週での接種が望ましいとされています。接種してから赤ちゃんに十分な量の抗体が届くまでには一定の期間が必要なため、出産にごく近いタイミングで接種すると、抗体が届く前に生まれてしまう可能性があります。

一方で早く打ちすぎても、出産までの間に抗体の効果が弱まってしまうことがあるため、望ましいとされる時期に受けていただくのが最も効果的です。予定日より早く出産になるケースもありますので、対象時期に入りましたらできるだけ早めにご相談いただき、接種のタイミングを逃さないようにしましょう。

なお2026年4月から、妊娠28週0日〜36週6日での接種は公費負担の定期接種となっています。料金の違いは次の項目でご案内します。

  1. 妊娠24週〜:対象期間の開始

    この週数から接種の対象になります。

  2. 妊娠28〜36週:もっとも望ましい時期

    赤ちゃんに十分な抗体が届きやすく、もっとも効果が期待できる時期です。

  3. 妊娠36週:対象期間の終了

    この週数を過ぎると接種の対象外となります。

予防効果

臨床試験では、妊娠28〜32週で接種した場合、生後6ヶ月時点での重症化予防効果は88.5%、妊娠32〜36週で接種した場合は76.5%と報告されています。この差には、接種から出産までの期間の長さが関係していると考えられており、赤ちゃんに抗体が十分に行き渡る時間を確保できるかどうかが効果に影響します。

ワクチンの効果には個人差があり、すべての重症化を防げるわけではありませんが、接種しない場合と比べて重症化のリスクを大きく下げられることが報告されています。できるだけ望ましいとされる時期での接種をおすすめしています。

接種時期生後6ヶ月時点での重症化予防効果
妊娠28〜32週88.5%
妊娠32〜36週76.5%

料金

2026年4月から、妊娠28週0日〜36週6日での接種は定期接種として公費負担(原則無料)になりました。対象時期より早い接種をご希望の場合は自費診療となります。費用の目安は以下の通りです。

接種時期費用
妊娠28週0日〜36週6日定期接種(公費負担・原則無料)
妊娠24週0日〜27週6日自費診療 33,000円(税込)

自費診療の場合は妊婦健診とは別会計となります。ご不明な点があれば診察時にご確認ください。

予約方法

接種をご希望の方は、お電話にて接種予定日の1週間前までにご予約をお願いしております(03-3449-3541)。ワクチンは入荷数に限りがあるため、事前のご予約にご協力いただいています。ご予約の際には妊娠週数と体調について簡単にお伺いします。

発熱など体調がすぐれない時期は接種を見合わせる場合がありますので、予約日が近づいて体調に変化があった場合は早めにご連絡ください。

よくあるご質問

Q
接種できる時期を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
A

妊娠36週を超えると接種の対象外となります。出産後は赤ちゃん自身へのRSウイルス感染予防薬という選択肢もありますので、健診時にご相談ください。

Q
副反応はありますか?
A

注射部位の痛みや腫れ、倦怠感、頭痛などが報告されています。多くは数日以内に軽快する一過性の症状です。

Q
他のワクチンと同時に接種できますか?
A

インフルエンザワクチンなど他のワクチンとの同時接種については、医師にご相談のうえ判断いたします。

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この記事の監修者

院長 堀 量博

院長

堀 量博(ほり かずひろ)

堀産婦人科

  • 日本産婦人科学会認定医
  • 日本臨床細胞学会指導医
  • 母体保護法指定医
院長プロフィールを見る

RSウイルスワクチンのほかにも、妊娠中に気をつけたい感染症について知りたい方は妊娠中の感染症のページもあわせてご覧ください。接種をご検討の際は、妊婦健診の際にお気軽にご相談ください。