ミレーナの仕組み

ミレーナは、長さ約3cmのT字型をした柔らかいプラスチック製の器具です。子宮の中に入れておくと、含まれている黄体ホルモンが持続的に放出されます。

このホルモンが子宮に直接はたらくことで、次のような変化が起こります。

ホルモンのはたらきが子宮の中に集中するため、飲み薬のピルと比べて全身へのホルモンの影響が少ないという特徴があります。

かつて「避妊リング」と呼ばれていた銅付加IUDとは別のもので、ミレーナはホルモンを放出するタイプです。

保険が使える場合と、自費になる場合

目的によって、保険が使えるかどうかが変わります。

目的保険の扱い条件
過多月経の治療健康保険が使えます診察・超音波検査などで過多月経と診断されること
月経困難症(強い月経痛)の治療健康保険が使えます診察・超音波検査などで月経困難症と診断されること
避妊のみが目的自費(保険適用外)―

診断のために、問診、内診、経腟超音波検査を行います。症状によっては血液検査で貧血の有無(ヘモグロビン値)を確認することもあります。
「月経痛も重いし、避妊もしたい」という方は多いのですが、その場合は治療の必要性があると診断されれば保険診療となります。ご自身でどちらか判断できなくても構いませんので、診察のときに症状をお聞かせください。

期待できること

一方で、効果の現れ方には個人差があります。すべての方で同じように月経量が減るわけではありません。

低用量ピル・銅付加IUDとの違い

ミレーナ低用量ピル(LEP)銅付加IUD
効果の持続最長5年毎日服用が必要製品により2〜5年程度
月経量減る(月経がほぼなくなる方も)やや減る増えることがある
月経痛軽くなることが多い軽くなることが多い変わらない、または強くなることも
ホルモン黄体ホルモンのみ(主に子宮内で作用)エストロゲン+黄体ホルモン(全身に作用)含まない
喫煙者・40歳以上使用しやすい慎重に判断が必要使用可能
血栓のリスクほとんど問題になりません頻度は低いものの注意が必要―
保険治療目的なら適用治療目的なら適用自費
こんな方に長期間、手間なく続けたい方月経日の調整もしたい方ホルモンを避けたい方

銅付加IUD(ホルモンを使わない子宮内避妊具)の取り扱いについては、受診時にご相談ください。

挿入までの流れ

  1. 診察・検査

    問診、内診、経腟超音波検査を行い、子宮の形や大きさ、筋腫の有無などを確認します。
    あわせて、子宮頸がん検診と性感染症(クラミジアなど)の検査を受けていただきます。感染がある状態で挿入すると、骨盤内に炎症が広がるおそれがあるためです。

  2. 挿入日の予約

    月経が始まった日から、月経が終わった直後までの時期が、子宮の入口がやわらかく挿入しやすいタイミングです。この期間に挿入日を調整します。

  3. 挿入

    内診台で、子宮の入口から専用の器具を使って挿入します。処置自体は数分で終わります。
    生理痛に似た痛みを感じる方が多く、痛みの程度には個人差があります。出産の経験がない方は子宮の入口が狭く、痛みが強く出ることがあります。痛みが心配な場合は、事前に医師にご相談ください。

  4. 挿入後の確認

    正しい位置にあるかを超音波で確認します。その後、1か月後・3か月後・6か月後、以降は年1回を目安に受診いただき、位置と経過を確認します。

挿入後の経過と副作用

入れてから3〜6か月ごろまで

不正出血や少量の出血が続くことがあります。これはミレーナによって子宮内膜が薄くなっていく過程で起こるもので、多くは時間とともに落ち着きます。
この時期がつらくて中断される方もいるため、あらかじめ知っておいていただきたい点です。

6か月以降

経血量が減り、月経の日数も短くなっていくことが多くなります。
月経がほとんど来なくなる方もいますが、これは子宮内膜が薄く保たれているためで、体に問題が起きているわけではありません。ミレーナを抜けば元の状態に戻ります。

そのほかに起こりうること

頻度は低いものの注意が必要なもの

こんな症状があれば早めにご連絡ください
  • 発熱
  • 強い下腹部の痛み
  • 悪臭のあるおりもの
  • ミレーナの糸が触れない・長さが変わった
  • 大量の出血

ミレーナが向かない方

次に当てはまる方は使用できないことがあります
  • 妊娠している、または妊娠している可能性がある方
  • 子宮の形に異常がある方、大きな筋腫などで子宮内腔が変形している方
  • 原因のわからない不正性器出血がある方
  • 子宮頸がん・子宮体がん、またはその疑いがある方
  • 現在、骨盤内に感染がある方
  • 乳がんにかかったことがある方
  • 重い肝機能障害がある方

これらに当てはまる場合でも、ほかの治療法をご提案できます。診察のうえで一緒に検討しましょう。

費用

内容費用
挿入(保険診療・3割負担の場合)受付でお尋ねください
挿入(自費/避妊目的)受付でお尋ねください
事前の検査(がん検診・性感染症検査)受付でお尋ねください
抜去受付でお尋ねください
定期確認(位置チェック)受付でお尋ねください

※自費診療の費用はすべて税込で表示しています。※自費診療は保険診療との併用ができません。

よくあるご質問

Q
出産の経験がなくても入れられますか。
A

入れられます。ただし子宮の入口が狭いため、挿入時の痛みが強く出やすく、まれに挿入が難しい場合があります。診察のときに子宮の状態を確認したうえでご説明します。

Q
どのくらい痛いですか。
A

月経痛に似た痛みで、数分で終わります。痛みの感じ方には大きな個人差があり、「思ったより平気だった」という方も、「かなり痛かった」という方もいます。

痛みが心配な場合は、受診時に医師にご相談ください。

Q
5年経ったらどうなりますか。
A

期限が来たら抜去します。続けて使いたい場合は、抜去したその場で新しいものに入れ替えることができます。

Q
妊娠を希望するようになったら、すぐやめられますか。
A

はい。抜去すれば妊娠できる状態に戻ります。抜いてから次の月経周期で妊娠する方もいます。

Q
授乳中でも使えますか。
A

使えます。エストロゲンを含まないため、授乳への影響が少ない方法です。産後の場合は子宮の回復を待って挿入時期を決めます。

Q
MRI検査は受けられますか。
A

受けられます。ミレーナはプラスチック製で金属を含みません。ただし検査前に、装着していることを検査を受ける医療機関にお伝えください。

Q
パートナーに気づかれますか。
A

ミレーナ本体は子宮の中にあり、外からは触れません。子宮の入口から細い糸が出ていますが、通常は気づかれることはほとんどありません。

Q
装着したまま子宮がん検診は受けられますか。
A

受けられます。装着したまま通常どおり検診が可能です。

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この記事の監修者

院長 堀 量博

院長

堀 量博(ほり かずひろ)

堀産婦人科

  • 日本産婦人科学会認定医
  • 日本臨床細胞学会指導医
  • 母体保護法指定医
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低用量ピルとの違いや費用について迷う点があれば、診察の際に遠慮なくご相談ください。