
低用量ピルの処方基準はどう変わってきたか
アメリカに遅れること約40年、1999年に日本でも低用量ピルが認可されました。それまでピルといえばいわゆる中用量ピルで、卵胞ホルモン(エストロゲン)・黄体ホルモン(プロゲストーゲン)の量も多く、副作用も強いものでした。
認可された当初の低用量ピルは、処方前に必要な検査が多いなど厳しい制約があり、医師にとっても処方しにくい面がありました。その後『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン』は2006年に日本産科婦人科学会により改訂され、処方前の検査が大幅に簡略化されるとともに、避妊効果以外のメリット(副効用)が明記されました。ガイドラインはその後も見直しが重ねられており、現在は「OC・LEPガイドライン」として定期的に改訂されています。診療では常に最新版の内容にもとづいて処方基準を判断しています。
なお、ガイドラインは学会がWHOの適応基準やこれまでの研究データをもとに作成したもので、ピルの添付文書(薬の説明書)に書かれている内容とは一部異なる場合があります。これが混乱を招く一因になっています。
処方前に必要な検査
ピルの処方にあたっては、問診を重視し、血圧測定を必須の検査としています。問診では月経の状態、妊娠・分娩歴、避妊歴、これまでにかかった病気や治療中の病気、特に高血圧、糖尿病、高脂血症などの有無や、喫煙・肥満などの状態を把握し、必要があれば検査を追加します。
血圧は収縮期140mmHgまたは拡張期90mmHgを超える場合、低用量ピルの処方を控え、他の避妊法をご案内します。
子宮頸がんや乳がんの検診、性感染症の検査は、ピルを処方するうえで必須ではありませんが、ピルを飲む・飲まないにかかわらず定期的に受けることをおすすめします。
低用量ピルは正しく使えば安全性の高い薬ですが、ネットでの個人輸入など、医師の診察を経ない安易な入手は避け、必ず婦人科を受診して処方を受けましょう。ふだんの体調や気になる症状も、かかりつけの婦人科医に相談しながら服用を続けることをおすすめします。