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生理痛を和らげる方法12選。即効性が高く仕事中もできる対処法

多くの女性が毎月のように直面する生理痛は、日々の仕事やプライベートの予定に大きな影響を及ぼす厄介な問題です。
特に職場で急に激しい痛みに襲われると、業務のパフォーマンスが低下するだけでなく、予定の変更や欠勤を余儀なくされ、精神的なストレスを感じることも少なくありません。
生理痛を我慢して乗り切るのではなく、正しい知識を持って速やかに対処し、日常的にセルフケアを取り入れることで、つらい期間を快適に過ごすことができます。
ここでは、生理痛の原因から、仕事中にも実践できる即効性の高い応急処置、根本的な体質改善を目指すセルフケアまで、網羅的にご紹介します。

つらい生理痛はなぜ起こる?主な原因を知ろう

生理痛の程度や現れる症状には個人差がありますが、痛みの背景にはいくつかの明確な原因が存在します。主に下腹部痛や腰痛、頭痛、だるさ、吐き気などが挙げられますが、これらがなぜ起こるのかを理解することが、適切な対処への第一歩となります。

痛みの元「プロスタグランジン」の過剰分泌

生理痛を引き起こす最大の要因は、プロスタグランジンという物質の過剰分泌です。
プロスタグランジンは子宮内膜で生成されるホルモンに似た物質で、不要になった子宮内膜を血液(経血)とともに体外へ押し出すために、子宮を収縮させる働きを持っています。
このプロスタグランジンの分泌量が多すぎると、子宮が過剰に収縮し、キリキリとした激しい痛みを伴うようになります。
プロスタグランジンの過剰分泌による生理痛は、子宮口がまだ狭く、経血の排出がスムーズにいかない10代から20代の女性に特に多く見られる傾向があります。市販されている多くの生理痛用鎮痛剤は、このプロスタグランジンの合成を阻害することで痛みを和らげる仕組みになっています。

体の冷えによる血行不良

女性の体は、生理が始まると体温が下がる仕組みになっています。
さらに、プロスタグランジンの働きによって血管が収縮するため、生理中は全身の血行が滞りやすく、体が冷えやすい状態にあります。
特に骨盤内の血液循環が悪くなると、子宮の筋肉が硬くなり、経血を押し出すためにより強い力で収縮しなければならなくなります。
これが痛みをさらに増幅させる悪循環を生み出します。
腰回りやお腹を冷やすことは、生理痛を劇的に悪化させる大きな要因となります。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

精神的なストレスや肉体的な疲労は、自律神経の働きを乱し、ホルモンバランスに悪影響を与えます。
自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールしているため、ストレスによって自律神経が乱れると血行不良が促進され、生理痛がひどくなります。
忙しい仕事や人間関係、不規則な生活習慣などが重なると、生理痛をより強く感じやすくなることが分かっています。

病気が隠れている可能性も(器質性月経困難症)

生理痛のなかには、単なる生理現象にとどまらず、子宮や卵巣の病気が原因で引き起こされているものもあります。
これを器質性月経困難症と呼びます。代表的な病気には、子宮の内側以外の場所に子宮内膜に似た組織ができてしまう子宮内膜症や、子宮の筋肉に良性の腫瘍ができる子宮筋腫などがあります。
これらの病気がある場合、生理の回数を重ねるごとに痛みが強くなったり、生理期間以外にも痛みが生じたりすることが特徴です。
痛みを我慢し続けると不妊の原因になることもあるため、少しでも異変を感じたら医療機関で検査を受けることが重要です。

【即効】仕事中でもできる!生理痛を和らげる応急処置6選

仕事中や外出先で急に生理痛が強くなったとき、すぐに実践できる即効性の高い応急処置を知っておくと安心です。
周囲に気づかれにくく、デスクワークを続けながらでも行える対処法をご紹介します。

1. 痛み止め(鎮痛薬)を適切なタイミングで服用する

鎮痛薬を服用する際は、タイミングが最も重要です。薬は痛みの原因物質であるプロスタグランジンの発生を抑える仕組みになっているため、痛みが我慢できなくなるほど激しくなってからでは、十分な効果を発揮するまでに時間がかかります。
下腹部に違和感を覚えたり、痛みが始まりそうだと感じたりした初期の段階で服用するのがベストです。
添付文書の用法・用量を守って適切なタイミングで服用すれば、依存や将来の妊娠への影響について過度に心配する必要はないとされていますが、不安な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。

2. カイロや腹巻きでお腹・腰を温める

冷えによる血行不良を防ぐために、外側から物理的に温めることは非常に有効です。使い捨てカイロを下腹部や腰、仙骨(お尻の割れ目の少し上にある骨)のあたりに貼ると、骨盤内の血流がスムーズになり、子宮の過剰な収縮が和らぎます。
オフィスの冷房対策として、薄手のシルクやウール素材の腹巻きを着用したり、ひざ掛けを利用したりして、常に腰回りを冷やさない工夫を重ねましょう。

3. 痛みを緩和する姿勢を心がける

デスクワーク中に椅子に座る際、猫背になったり足を組んだりしていると、骨盤が歪んで下腹部が圧迫され、痛みが悪化しやすくなります。
椅子には深く腰掛けず、やや浅めに座って骨盤を垂直に立てるように意識すると、お腹まわりへの余計な圧迫が抑えられます。

また、同じ姿勢を長時間続けると血流が滞るため、こまめに座り直したり、立ち上がって少し歩いたりするなど、体勢を変えることが大切です。
自宅で横になれる場合は、横向きに寝て背中を少し丸め、ひざを軽く曲げるポーズをとると、お腹の緊張がほぐれて楽になります。

4. 生理痛に効くツボを押す

手の甲や足にあるツボを刺激することで、即効性の高い痛みの緩和が期待できます。仕事中にも押しやすい代表的なツボをいくつか覚えておきましょう。

合谷(ごうこく)は、手の甲の親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにあります。古くから様々な症状に用いられてきたツボで、生理痛のほかに頭痛や肩こり、ストレス緩和にも役立つとされています。

気海(きかい)は、おへそから指2本分下がった場所にあります。生理痛を穏やかに和らげる効果があり、温めるだけでも効果があります。

血海(けっかい)は、ひざの皿の内側から指4本分上がったところにあります。女性ホルモンの分泌を促し、血流を良くする効果が期待できます。

三陰交(さんいんこう)は、足の内くるぶしの最も高いところから指4本分上がった、骨の後ろ側のくぼみにあります。冷え性改善や生理痛緩和に極めて効果的な女性に欠かせないツボです。

照海(しょうかい)は、内くるぶしのすぐ下にあるくぼみにあります。下半身を温め、血行を改善する作用があります。

ツボを押すときは、息を吐きながら痛気持ちいいと感じる強さで、ゆっくりと3秒から5秒ほどかけて押し、ゆっくり離すのを数回繰り返してください。

5. 締め付けの少ない服装に着替える

お腹や腰回りを締め付ける衣服は、血流を著しく阻害し、骨盤内のうっ血を引き起こして生理痛を悪化させます。
スキニージーンズや、お腹を強く圧迫するコルセット、ウエストがきついスカート、ガードルなどは生理中は避けましょう。
ウエストがゴム仕様のゆったりとしたボトムスやワンピース、締め付け感のないインナーを選択することで、体にかかる余計なストレスを減らし、血流を維持することができます。

6. デスクでできる簡単なストレッチをする

軽いストレッチには、筋肉の緊張をほぐし、自律神経をリラックスした状態(副交感神経優位)に導く効果があります。
デスクに座ったまま、上半身をゆっくりと左右にねじったり、肩を大きく回したりするだけでも、滞りがちな背中や腰回りの血流が改善されます。
また、座った状態で片方の膝を胸に引き寄せ、背中をゆっくり丸めるストレッチもお腹の緊張緩和に有効です。呼吸を止めず、心地よいと感じる範囲で行いましょう。

【日常ケア】生理痛を根本から和らげるセルフケア6選

生理痛を一時的に抑えるだけでなく、日頃の生活習慣を見直すことで、痛みが起こりにくい体質へと根本から整えることができます。毎日続けられる簡単なセルフケアをご紹介します。

7. 体を温める食べ物・飲み物を摂る

日頃から体の中から温める食材を意識して摂ることで、冷えに強い体を作ることができます。ニンジン、レンコン、ゴボウ、ショウガなどの根菜類は体を温める性質を持っています。飲み物であれば、血管を広げる効果があるハーブティーやココアがおすすめです。
また、血行を良くするEPAやDHAを豊富に含むブリ、サンマなどの青魚も積極的に献立に取り入れましょう。

8. 栄養バランスを意識した食事を摂る

生理痛の緩和には、特定の栄養素を意識的に補うことも有効です。大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするため、ホルモンバランスの乱れによる痛みの緩和が期待できます。
また、細胞内のカルシウムが増えすぎると子宮が激しく収縮するため、カルシウムの排出を促すマグネシウムを多く含むアーモンド、カシューナッツ、昆布、ほうれん草などを摂取しましょう。
血行を促進するビタミンE(かぼちゃやうなぎ)や、生理中の貧血対策として欠かせない鉄分(赤身肉やレバー)を補うことも重要です。
また、鉄とラクトフェリンを配合したサプリメントを摂取した試験で月経痛の緩和が報告されていますが、これは腸で吸収されやすいよう加工された高濃度のラクトフェリンを用いた研究であり、市販の牛乳に含まれる量や形態とは異なります。温かい牛乳を飲むこと自体は、体を温めてリラックスする習慣として取り入れるとよいでしょう。

9. ゆっくり湯船に浸かってリラックスする

生理中はシャワーだけで済ませてしまう方も多いですが、湯船に浸かってしっかり全身を温めることが血流改善には不可欠です。
少しぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、冷えが解消されるだけでなく、筋肉がほぐれて心身ともにリラックスできます。
また、手軽に冷えを取り除く方法として「足湯」も非常に優れています。40℃から42℃の少し熱めのお湯に15分から20分ほど足首まで浸けるだけで、下半身全体の血の巡りが良くなり、冷え性対策として高い効果を発揮します。

10. アロマの香りで心身をリラックスさせる

生理中のイライラや気分の落ち込み、緊張による血行不良には、香りの力を活用しましょう。
特にリラックス効果や鎮静効果、ホルモンバランスを整える作用が期待できる精油として、ラベンダーやカモミールローマン、ゼラニウム、ベルガモットなどが適しています。アロマディフューザーでお部屋に香らせるほか、ハンカチに数滴垂らして持ち歩いたり、アロマオイルを使ってお腹をやさしくマッサージしたりするのもおすすめです。

11. 十分な睡眠時間を確保する

自律神経のバランスを保ち、ホルモンの過不足のない正常な分泌を維持するためには、質の良い十分な睡眠が欠かせません。睡眠不足が続くと痛みに敏感になりやすく、ストレスに対する抵抗力も低下してしまいます。
生理前や生理中はいつもより早めに就寝し、スマートフォンなどの使用を寝る前に避けるなど、睡眠の質を高める工夫を意識しましょう。

12. 適度な運動で血行を促進する

生理中は無理な運動は控えるべきですが、完全に体を動かさないよりも、ヨガや軽いウォーキングなどの有酸素運動を日頃から行うことで、骨盤内のうっ血が解消され生理痛が軽くなります。
じんわりと汗をかき、心地よいと感じる程度の強度にとどめるのがポイントです。ただし、立ちくらみや貧血症状があるとき、痛みが激しくて動くのがつらいときなどは無理をせず、横になって体を十分に休めることを優先してください。

生理中に避けたい食べ物・飲み物

生理中の食事内容によっては、痛みを増強させてしまうものがあります。体への負担を避けるために注意したい食品を紹介します。

体を冷やすもの

トマトやキュウリなどの夏野菜、冷たいアイスクリーム、冷蔵庫から出したばかりの飲み物は、内臓を直接冷やし、血管を急速に収縮させます。これが血行不良を招き、子宮の収縮を激しくして痛みを強めるため、生理中は極力避けるか、加熱調理した温かい状態で摂るようにしましょう。

カフェインを多く含むもの

コーヒー、濃い緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには、一時的に眠気を覚ます効果がある反面、血管を収縮させる作用があります。
血管が収縮すると全身の血流が悪くなり、体の冷えを招きます。
生理中はノンカフェインのルイボスティーや麦茶、ハーブティーなどを選択するのが賢明です。

インスタント食品や高脂肪な食事

スナック菓子、カップ麺、脂っこいジャンクフードなどは、プロスタグランジンの原料となるリノール酸などの脂質を多く含んでいます。
これらの食品を過剰に摂取すると、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが体内で大量に作られやすくなり、激しい生理痛につながることがあります。
また、添加物の多い食事は消化にも負担がかかり、血行を悪化させるため避けるのが無難です。

「もしかして病気?」婦人科を受診するべき症状の目安

生理痛は誰にでもあるものと我慢してしまいがちですが、以下のような症状が見られる場合は、何らかの疾患が隠れているサインかもしれません。
手遅れになる前に医療機関を受診する基準を知っておきましょう。

市販の鎮痛薬が効かない

市販されている痛みの緩和薬を指示通りに服用しても、全く痛みが治まらない、あるいは痛みを抑えきれずに何度も薬を足したくなるような場合は注意が必要です。
子宮や卵巣の病気によって激しい痛みが起こっている可能性が高いため、早急に医師に相談することをおすすめします。

日常生活に支障が出るほどの痛み

痛みがひどくて朝ベッドから起き上がれない、仕事や学校を休まざるを得ない、集中力が完全に削がれて会話もままならないといった状態は、明らかに受診の目安となる月経困難症の兆候です。
我慢することが美徳と考えず、医療の力を借りるべきタイミングです。

生理期間以外にも下腹部痛や腰痛がある

生理が終わったにもかかわらず下腹部が痛む、排卵期のあたりに激しい痛みを伴う、慢性的に腰痛が続いているといった症状は、子宮内膜症などが周囲の組織と癒着を起こしているサインの可能性があります。
生理中以外の痛みは病気を疑う強いシグナルです。

年々痛みがひどくなっている、経血量が増えた

「以前に比べてだんだん生理痛が強くなってきた」「経血の量が増え、レバーのような血の塊が混じるようになった」「ナプキンが1時間ももたない」といった変化は、子宮筋腫や子宮腺筋症などの進行に伴う典型的な症状です。
以前の自分の状態と比較して悪化している場合は、婦人科を受診してください。

つらい生理痛は我慢しない!婦人科で受けられる治療法

婦人科への受診は少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、忙しい現代女性のライフスタイルに合わせた様々な治療法が確立されています。
現在では通院回数を抑えられる治療や、将来の健康を見据えた選択肢が数多く用意されています。

低用量ピル(LEP)によるホルモン治療

生理痛の根本治療として広く普及しているのが、低用量ピル(LEP)です。
避妊用のピル(OC)は保険適用外ですが、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的とした処方であれば保険が適用されるため、経済的な負担も抑えられます。低用量ピルは排卵を抑制し、子宮内膜が厚くなるのを防ぐことで、痛みの原因であるプロスタグランジンの分泌を劇的に減らすことができます。
さらに、骨密度への影響を考慮すべき10代の若年者や、血栓症リスクが高まる40代以上の方、あるいは喫煙などで血栓症リスクの高い方には、エストロゲンを含まない黄体ホルモン製剤である「ジエノゲスト」という選択肢もあり、個人の体質や生活習慣に合わせて医師が最適な処方を提案してくれます。

漢方薬による体質改善

西洋医学的な薬に抵抗がある方や、全身の冷えやイライラなどの多面的な不調も同時に改善したい方には、漢方薬を用いたアプローチが適しています。婦人科の代表的な漢方処方である「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などは、冷えや血行不良を改善し、乱れた自律神経やホルモンバランスを整えるのに効果的です。
自分の体質(証)に合わせた漢方薬を処方してもらうことで、体に優しく健康的なコンディション作りが行えます。

鎮痛剤の処方

医療機関では、市販薬よりも高い効果や、症状に応じたアプローチができる専門的な鎮痛剤を処方してもらうことができます。
一般的な消炎鎮痛剤だけでなく、子宮の筋肉の過剰なけいれんや収縮そのものをダイレクトに抑える「ズファジラン」や「ブスコパン」といった、子宮収縮抑制薬などを組み合わせて処方されることもあり、個人の痛みの特性にぴったり合わせた効果的な鎮痛コントロールが可能です。

まとめ:自分に合った対処法を見つけて、つらい生理期間を快適に

生理痛のつらさは、一人で抱え込み我慢する必要は全くありません。
仕事や日常生活で最高のパフォーマンスを発揮し、自分自身の心地よい毎日を守るためには、まずは今日からできる温活やツボ押しなどの手軽なセルフケアを取り入れ、痛みの兆候を感じたら適切なタイミングで薬を活用することが大切です。
それでも改善しないときや、生活に支障が出るような強い痛み、徐々に増悪する症状がある場合は、信頼できる婦人科へ気軽に相談してみましょう。
専門的な医療ケアやホルモン治療を取り入れることで、生理痛の恐怖から解放され、将来の健康やライフイベントへの備えも万全にすることができます。
自分の体と向き合い、無理のない快適な選択をしていきましょう。

この記事の監修者

院長 堀 量博
監修者

院長

堀 量博(ほり かずひろ)

堀産婦人科

  • 日本産婦人科学会認定医
  • 日本臨床細胞学会指導医
  • 母体保護法指定医
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堀産婦人科

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