緊急避妊法 / モーニングアフターピルについて
緊急避妊法(emergency contraception : EC)は、避妊をしなかった時、コンドームがはずれてしまった、破けたなど避妊に失敗してしまった時に望まない妊娠を回避する避妊法で、モーニング・アフターピルとも呼ばれています。
モーニング・アフターピルを必要として、コンドームがはずれた、破れたなどコンドームにまつわる問題で緊急避妊を必要としたケースが63.7%にも及びます。
コンドームの失敗率は約15%ともいわれ、みなさんが思っているほど避妊効果は高くありません。確実に妊娠をするのであれば低用量ピルの服用をお勧めします。
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実際の避妊法
中用量のピル(エチニルエストラジオール:EE 0.05mgとノルゲストレル:NGR 0.5mgの配合剤)を性交後72時間以内に2錠、さらに12時間後に2錠服用します。(Yuzpe法)
モーニング・アフターピルの有効な72時間を過ぎてしまった場合、120時間以内であればアフターピルがある程度有効であるという報告もあります。
また銅付加の子宮内避妊具:IUD(避妊リング)の挿入も効果があります。
服用するタイミングにもよりますが、卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスをくずして、排卵を抑制し、子宮内膜の状態を変化させて着床しにくくするために妊娠を防ぎます。
緊急避妊用の効果
WHOが1998年に実施した調査では、モーニング・アフターピル服用後の妊娠率(失敗率)は3.2%です。
しかしこの調査の対象には月経直後や直前など妊娠する危険性が低いと思われる症例も含まれているため、妊娠の危険性の高い排卵前後の期間では妊娠の可能性を75%減らせる程度と考えられます。
緊急避妊法の副作用
モーニング・アフターピルを服用されたかたの約半数に悪心(気持ち悪い)、約15%に嘔吐がみられます。服用後2時間以内に吐いてしまったときには追加で2錠服用します。
できれば食事とともに服用したり、寝る前に服用するようにしましょう。
当院では吐き気止めも一緒に処方いたします。その他、下腹痛、頭痛などがみられることがあります。
緊急避妊後の生理について
服用するタイミングにもよりますが、早いかたで数日、遅いかたで約3週間です。
1週間前後か2週間前後に出血するかたが多いようです。
それ以上たっても出血がなければ妊娠チェックをしてください。