妊娠中の喫煙について

喫煙が胎児や赤ちゃんに有害であることはみなさんご存知のことと思います。喫煙により早産は非喫煙者に較べて1.5倍、周産期死亡は1.2~1.4倍に達し、最近の研究で、喫煙により胎児の免疫能が低下することや、白血病の発症率が高まることもわかりました。またニワトリではニコチンによる先天奇形の報告もあります。(表1)

しかし問題は『妊婦さん本人がタバコを吸わなければよい』というわけではなく、“受動喫煙”すなわち本人が喫煙をしなくとも、ご主人が喫煙される場合その煙(副流煙)を“吸わされる”ことにあります。副流煙は喫煙者が吸い込む主流煙より毒性が高く、ニコチンで2.8倍、発がん性の高いニトロソアミンという物質は52倍も含まれています。(グラフ1)は喫煙、受動喫煙妊婦の児体重です。最も胎児への影響が大きい要因は、妊婦本人が喫煙する能動喫煙のグループよりも、換気もせずに妊婦の前で夫が平気で喫煙するグループで、夫は多量喫煙者であり、妊婦自身も喫煙経験があるペアに流産、早産、胎児死亡、胎児発育遅延などの影響が見られます。妊婦自身も喫煙をし、自宅で夫から30本の受動喫煙を受けたペアでは妊娠中期に胎児死亡に至った症例もあります。

また乳幼児の父母の喫煙習慣が児の呼吸中枢の覚醒反応を遅らせるともいわれ、出産後の授乳婦の喫煙は母乳中への移行により乳幼児突然死症候群の頻度が2~4倍に増加するとされています。

妊娠中は妊婦さん本人だけではなく、周囲のみなさん、特にご主人が禁煙に協力するように心がけてください。いままで、タバコを吸っていた時間をおなかの赤ちゃんに話しかける時間にしてみてはいかがでしょうか。

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