ピルのガイドライン改訂

ピル(低用量ピル:OC)のガイドライン『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン』が今年(2006年)2月、日本産科婦人科学会により6年ぶりに改訂されました。

アメリカに遅れること40年、1999年に日本でも低用量ピルが認可されました。それまでピルといえばいわゆる中用量ピルで、卵胞ホルモン(エストロゲン)黄体ホルモン(プロゲストーゲン)の容量も多く副作用も強かったのですがしかたなく使わざるを得ない状況でした。やっと認可された低用量ピルですが処方に際して厳しい制約、すなわち処方前に必要な検査が多く、実際医師も処方しにくい面がありました。

今回のガイドラインの改訂点は大きく2つあります。ひとつは処方前の諸検査が大幅に簡略化されたこと・・・すなわち副作用が少ないことが広く認められたことと、もうひとつは避妊効果以外のメリット(副効用)が明記されたことです。今回は改訂点のひとつ、処方前の検査についてお話します。

* 今回のガイドラインは日本産科婦人科学会などの学会がWHOによる適応基準やいままでの研究データをもとに作成したもので、ピルの添付文書(薬の説明書)に書かれている内容とは一部異なります。これが混乱を招くひとつの要因になっています。

ガイドラインの改訂点

11_01

ピルの処方に際して改訂前はさまざまな検査が必要でした。これはピルが健康なひとが服用するため副作用があってはならないという観点から出来うる限りリスクを排除する。という考えに基づいていましたが、環境ホルモン問題やエイズ問題など当時の社会情勢やピルに対する無理解などさまざまな要因により過剰な規制があったことは否めません。

今回の改訂では処方に際して問診を重視し、血圧測定のみが必須の検査となりました。問診では月経の状態、妊娠分娩歴、避妊歴、いままでにかかった病気や治療中の病気、特に高血圧、糖尿病、高脂血症などや喫煙、肥満などの状態を把握し必要があれば検査を追加します。血圧は収縮期140mmHgまたは拡張期90mmHgを超える場合は低用量ピルの処方を控え、他の避妊法の指導を行います。子宮がんや乳がん検診、性行為感染症の検査は必須ではありませんが、これらはピルを飲む飲まないに関わらず受けられることをおすすめします。欧米では彼氏が出来る頃から日常的にクリニックで感染症検査をし、またがん検診の受診率は8割(日本は2割)といわれています。

なにしろピルはドラッグストアーで買える国も多いほど安全な薬です。日本でもやっと安全性が認められ、また避妊以外の効果も知られるようになりました。しかしネットでの安易な購入は控え、必ず婦人科医に処方してもらいましょう。そしてかかりつけ医として先生に相談相手になってもらってはいかがでしょうか。